2007年03月09日

元ハンセン病患者のつづる詩集

元ハンセン病患者 山内さん詩集を自費出版 差別と偏見に深い悲しみ
消えぬ思いつづる


国立療養所邑久光明園(瀬戸内市邑久町虫明)の元ハンセン病患者山内宅也さん(73)が、社会の差別と偏見に対する苦悩や憤りをつづった詩集「仮名の碑」を自費出版した。抑制の利いた静かな語り口からは諦観(ていかん)にも似た深い悲しみが感じられる。詩30編のほか、病について考察したエッセー2編も収録している。

山内さんは、12歳ごろ発症し15歳で入所。数年で完治し帰郷できるという少年の思いとはうらはらに、以後60年近くを療養所で過ごしてきた。詩集では、自らをくぼみに落ち込んだ虫に例え


ある虫のストーリー

ここから見上げる空は
いつも霧のようにどんよりと曇り
青い空のどこまでも澄んだ
自由な空気は吸えなかった


と表現する。

タイトルは、家族を迫害から守るため入所の事実を隠し墓碑銘にも仮名を記さざるを得ない悲痛な事情に由来。


納骨堂

悲しまれる縁を断ち
語られる思い出を残さず
偲(しの)ばれる遺徳を残さず
ひたすら生きてきたかたちを残さず
それこそがここでのせめてもの
自分の生きる徳としてきた


という詩に表した。

A5判136ページ、2000円。問い合わせは新風舎




何かと話題の新風舎さんですが、(自費出版によるものですが)出版点数でいえば、小学館や講談社に匹敵します。文芸社もそうですね。
posted by 自費出版を企てる男 at 10:26| 自費出版による詩集